周術期というのは、術前・術中・術後を合わせた期間を指します。麻酔科医は、主に手術室の中で仕事をしてきました。近年、手術技術・麻酔管理が向上し、今までは手術できなかった重篤な合併症を持つ患者さんや、高齢の患者さんにも、手術による治療ができるようになりました。そして、術前から全身状態をよくするための治療介入が重要であることが分かってきたため、手術の前から患者さんにかかわる必要が出てきました。このため麻酔科医の業務範囲は術中から周術期に広がってきたのです。

また、栄養管理や禁煙指導、術前術後のリハビリテーション(理学療法)によって術後治療効果を高められることもわかってきました。「手術医療に関わる全ての患者の良好な予後に寄与する」ことを目的として、周術期外来は活動しています。

周術期外来では、麻酔科医が早期に術前患者さんの診察を行い、手術前に追加検査や治療介入の必要がないか入念に検討します。また、患者さんやご家族へ早くから手術に関する情報を提供し知識を持ってもらうことにより治療への意欲アップにつなげています。特に小児患者さんでは治療への不安が強いことが多いため、早くから知識を持っていただくことにより手術へ不安なく望めるようなお手伝いをしています。

より詳しい説明は、「東大病院だよりNo. 100(20/12/18発行)」をご参照ください。